まるで「勉強ができないと将来はない」と言われているような風潮には、私は少し反感を抱いています。むしろ、社会人の競争に比べれば、学生の競争はまだ軽いものだと感じていますが、最近の高校では、良い成績を取るために次第に塾や家庭教師が必須のような状況になってきています。

今の学校の先生たちは、むしろサポートしてくれないことが多いです。文章の書き方や受験勉強の方法にしても、教えてもらえないまま課題として提出を求められます。例えば、正しい文法や表現のルールを教わっていないのに「動物実験の賛否を論じて論拠を述べよ」といった課題を出されることがあります。公教育だけを受けている生徒が、果たしてまともな文章を書けるのでしょうか？私はそうは思いません。しかし、塾で学んでいる生徒たちは成績が良いことが多いです。なぜなら、彼らは論文を書くプロや、博士号を持つ専門家から直接指導を受けているからです。これは公教育では実現できないことです。

また、英語の授業でも、文法をしっかり教えないまま英作文を書かせることがあります。例えば、「教室でスマートフォンの使用を許可すべきか」というテーマで英語のエッセイを書くように指示されることがあります。

今の先生たちが生徒一人一人をサポートできると思いますか？私は無理だと思います。多くの教師は修士号や博士号を持っておらず、教員試験を通って採用された人たちが大半です。さらに、公務員という立場にあるため、解雇の心配もなく、社会経験もあまり豊富ではありません。一方で、塾では修士号や博士号を持つ人、実際に大学教授だった人たちにも出会えます。そんな専門家の下で学ぶ生徒たちは、成績が良くなる可能性が高く、そのチャンスも大きいです。

また、教師が生徒一人に対して十分にサポートできる可能性は非常に低いです。会議や成績の反映、問題の作成、授業準備など、やるべきことが山積みだからです。そんな中で、ある生徒が「成績を上げたいので助けてください」と頼んでも、教師が快く応じられるでしょうか？私はそうは思いません。

高校生が考えられることは本当に限られています。修士号や博士号を取得した人たちでも、「学部生の頃は自分がすべてを知っていると思っていたが、大学院に進むと自分の無知さに気づかされた」と言います。それなのに、高校生が何かを本当に理解しているのでしょうか？私はそうは思いません。そして、限られた知識しか持たない高校生が、名門大学に進学するために塾で学び、そういった専門家の指導を受けた生徒と競争して勝てると思いますか？私は無理だと思います。これは、結局、専門家との競争に勝つことができるかという話に繋がるからです。

さらに、今の高校教育は、弱い生徒や勉強が苦手な生徒を助ける場ではなく、むしろ優劣を競う競争の場になっています。競争に負けた生徒は、相対的に低いランクの大学に進学し、その結果、恋愛や就職などで社会的なレッテルを貼られることになります。

要するに、現在の状況では、塾や家庭教師の力なしに良い大学に行くのは非常に難しくなっています。そして、名門大学であっても、このような不公平な状況にもかかわらず、一般入試よりも推薦入試をさらに推進しようとしています。

実際に、金持ちや名門大学に進学する人たちは、たいてい小学校1年生や低学年のころから12年間、専門家の指導を受けて「どうやって勉強するべきか」を学んでいます。幼いころから多額の費用をかけて効果的な勉強法を学んでいるので、小学校が終わるころには勉強法をほぼ習得しており、中学校では毎回トップを維持し、高校でも各科目で1等級を取得するような生徒になっています。そして、そういった生徒たちはさらに努力をするので、成績も良くなり、大学入試でも好成績を収めます。たとえ大学入試で失敗したとしても、成績が固定される推薦入試のおかげで、容易に名門大学に入学できますし、浪人というチャンスのおかげで医学部に進学する人も多いです。

しかし、こうしたチャンスは、いわゆる「金のスプーン」を持っていない限り、ほぼ存在しません。いや、そんな配慮は「泥のスプーン」にはほとんどないと言っても過言ではないでしょう。それにもかかわらず、親は自分の子供が医学部や法学部に進学することを望んでいます。しかし、それに対して助けることもせず、良い大学に行ってほしいとは思いながらも「自分で勉強法を見つけて、独力でやれ」と放置します。繰り返しますが、高校生が知っていることは本当に限られており、自分で大学院生のように勉強法を研究して見つけるしかありません。もちろん、医学部や法学部に進学する可能性はほぼゼロに近く、専門家との競争で敗北するのは言うまでもなく、良い大学に行くこともほとんど不可能だと言えるでしょう。

しかし、このような不公平な制度にもかかわらず、名門大学に進学できなかった学生は、社会で淘汰されるとされています。しかし、最近では大学に進学せずに成功する事例も増えており、大学に行かずに事業を立ち上げて一攫千金を得る人も多く見られます。たとえば、ゲーム選手のフェイカーも大学に行かずに数十億円を稼いでいます。学歴という制度が、このような不公平さにもかかわらず、本当に意味があるのでしょうか？学歴以外にも優れた能力があれば、その競争から外れてもトップを維持できる時代です。学校の評判が良くなくても、アイデアさえあれば数十億円を稼ぐことができる時代でもあります。果たして、学歴というものが本当に意味を持つのでしょうか？現代の就職においても、学歴は依然として影響力を持っていますが、それ以上に重要なのは経験と実力です。学歴が良くなくても成果を上げたり、仕事ができたりすれば、学歴を超えることができます。確かに、学歴を見て書類選考で落とす企業もまだ多いですが、学歴の影響力は徐々に弱まってきています。

ですから、この動画について反感を抱いてコメントを書こうと思いましたが、私のコメントがブロックされるため、ここに書き残します。おそらく、この不公平さを広めて周りの人々に賛同してもらいたいと思っているのでしょう。幸いなことに、最近は素晴らしいYouTuberたちが勉強法を教えてくれることで、効率的な勉強法を学ぶチャンスが増えているのは非常に良いことです。しかし、『利己的な遺伝子』で言われているように、人間は生存のために本能的に利己的に反応する特性があるため、結局は他人に付き従って学ぶしかないということになります。泥のスプーンにとって、それが最良の方法であり、それ以外の方法はないように思います。